【就活戦線異常あり】ホワイトアカデミーの校長が語る東大生でも内定ゼロの現実! なぜ、いま子どもの就活に親の「協力」が必要なのか
◼︎就職戦線異状あり——親世代と現役世代の「就活」の違い
就職戦線異状なし——「新人類世代」と呼ばれた50代以上の親にとって同名の映画のタイトルを思い出したのではないだろうか。バブル期の超売り手市場の学生の就活をめぐるドラマは、そのハッピーエンドに「のどかさ」を覚えるほどだ。しかし、現在は、もはやそんな余裕を大学生に与えない厳しい環境にあると言えるのだ。
つまり就職戦線異状あり。
現在の就活環境は、人口減少にともなう需要縮小(少子高齢)社会にあること。さらに、物・サービスの生産性が低くなる一方、株価高を続ける「資産」格差が顕在化されるなかで、2000年代以降に産まれた「デジタルネイティブ(ゆとり・さとり)世代」は、IT情報通信の効率化の恩恵を享受すると同時に、事務系の仕事はAIに、単純労働は、外国人労働者に代替されるため、そもそも「働く」居場所、その椅子自体も減少している。
しかし、当時の1990年〜2000年に新卒だった就職氷河期世代(現在40代)の大卒求人倍率0.99(2000年)に比べ、コロナ禍が直撃した昨年度の1.53と一見、「売り手市場」に見えるこの状況をどう解釈すればよいのか。現在の就活の厳しさの真実とは何であるのか。
「いま50代以上の親御さん世代と現役世代のお子さんの就活の本質的違いは、学歴や志望業界にかかわらず、一流企業への競争が激化しているということです。さらに一流企業に入社できる母数自体(=採用枠)もはるかに少なくなっているのです。これが著しく違います」(竹内氏)
竹内氏によれば、就活の競争激化の要因には3つあるという。
【就活競争激化の要因】 ① 就活の自由競争化 ② 大学生の激増 ③ 「求める人材」のレベル上昇
「親御さん世代の就活は、学歴(属性)での選別とゼミなどのコネなどで応募者が限定的でありました。しかし、お子さんの世代は原則、自由化、すなわち新卒就活サイトから自由に応募できるようになりました。これは文系だけでなく理系も同様で、今や教授からの推薦はどんどん減っており、新卒サイトからの公募形式を採用する企業(トヨタ自動車株式会社など)が増えてしまいました。結果、一流企業と呼ばれる人気企業には応募者が殺到します。例えば、過去、高倍率(人気)企業50社のトップであった明治(食品・水産業)は4つの採用枠をめぐり、約1万1000人、倍率は2750倍(『就職四季報』2016年版)を記録したこともあります。また大学・短大の進学率も、約6割(58.6%「学校基本調査」文科省2020年12月25日」)です。20%近く増えました。採用枠少なさに比して就活生が多いということは、一流であるほど企業の倍率が上がり、それに伴って内定する人材のレベルも上がるということです。そうなると就職活動は、人生の一大プロジェクトと、結果的になってしまうのです」(竹内氏)
人生のファースト・キャリアとなる就活はもはや、大学受験どころではない状況になっているのは確かなようだ。
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竹内健登(たけうち・けんと)
東京大学工学部卒。大手一流ホワイト企業の内定請負人。就活塾「ホワイトアカデミー」を創立・経営。これまで800人以上の就活をサポート。塾はホワイト企業内定率100%を誇り、ホワイト企業の内定が出なければ費用を全額返金する返金保証制度が好評。2019年に『子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法』(日経BP刊)を出版し、「親が子育ての集大成である“就活”に臨む際の必読書」、「これができれば本当に一流企業に内定できる」と話題。塾のYouTubeチャンネルではホワイトな業界の紹介や大手企業の倍率、ESの添削を公開するなど塾の就活ノウハウを一部紹介している。
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